これまでのインタビュー
>> 心地良い まち ~まちとアート編~ 此花vol.2 #01
>> 心地良い まち ~まちとアート編~ 此花vol.2 #02
辺口芳典 溝辺直人 [ 黒目画廊/OTONARI : http://kuromegarou.jp/ ]
インタビュー:宮城貴子(CNTR)/ 岡村綾子(CNTR)
撮影:岡村綾子(CNTR) 写真提供:the three konohana
共存するまちへ
ーテーマにもなっている、「心地いいまち」にするために、町でこういう事をしていきたいな、還元したいな、というのはありますか?
溝辺:還元かあ、その言葉はなんかちょっと違う気がするかな。
辺口:うん。還元っていうとちょっと遠いですね。僕は今、実際に此花に住んでいるんです。自分の家があって、ここで稼いで暮らしているから、それが続くようにしていきたいし、それが当たり前のこととしてある。だから、そこの距離間はあんまりないかもしれないですね。例えば、黒目画廊ってお風呂がないので、銭湯に通ってるんですけど、銭湯なくなると困るんですよね。でもここ数年でやっぱりなくなってる現実があるから、焦る訳ですよ。おい待てよ、と(笑)。なので、銭湯いいよ〜とやっぱり伝えますよね。でもそれって自分の生活のためなわけです。
ーここが地元になってきてるっていうことですね。
辺口: そうそう、地元の人が地元のことを考えるのは普通。自分のこどもを育てるのも普通だし、自分の親の面倒をみるのも普通でしょ、それ還元って言わないでしょっていう感じかな。
ーでは今後、10年後のビジョンはありますか?
辺口: まあ、ここは続いていけたらいいなあとは思いますね。家族ができたりもしているので、どうなるかはわからないですけど、どんな形でもいい、週1回だけ開けるとかでもいいから、せっかく生まれて育ってる共存っていうのを引き続き育てていきたいですね。他に何もいらないです。それが許される場所を続けていきたいと思うし、今はそういう僕らをこのまちが許してくれてるし、そうやって個人同士もだけど、まちとも共存していると思っているので、ここでやっていきたいなとは思っています。あとはそうだなあ、独自の生活、魅力的な生活ができる人が増えていったらいいなあと思います。すごい収入を得ている訳じゃないけど、暮らし自体が魅力的で、たとえば、クーラーつけない生活が最高や!って言って、デザイナーさんに頼んですごい建物建てちゃったりとかね。そういう独自の生活ができていて、腹割った話もできてるといいですね。あんたのとこもめっちゃいいけど、うちんとこもええやろ、と。アートのまちとかじゃなく、独自の場所があって、独自の生活をしてる人たちがいたらそれでいいと思います。数十年後には、この当たりが一番暮らしたいまちって言われてたらいいですねえ。
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出てきていたキーワードは、「個性」や「共存」。心地よく暮らすためにどのような場面においてもこれらが必要なのはもちろんですが、思っていた以上に「まち」に関わってくるんだな、ということを発見したインタビューでした。
実はこの日、インタビューも終わりかけの頃、常連のお父さんがOTONARIへご来店。最近ここでよくしているんだよね、とDJをしていただいていたんです。夏の終わりを感じる懐かしいチューン満載で、取材陣もノリノリ!
このDJは、辺口さんや溝辺さんからお願いしたものではなく、仲良くなるうちに、お父さんから「ここでやってもええ?」と言っていただいたそう。このように、地元の方から企画を持ってきてくれたことが本当に嬉しかった、とOTONARIのお二人は話してくれました。
さて、第三回は最終回として、辺口さんと溝辺さんが此花に来るきっかけにもなった、まちなかアートイベント「見っけ!このはな」を主催されている、此花アーツファームさんにお話を伺います。まとめの記事になる予定です、どうぞお楽しみに!
また、此花地域ではこの度、10月12日(土)13日(日)の2日間、大阪市此花区梅香・四貫島エリアで暮らす地元の人と、新しくこのエリアに訪れる人たちが自然に触れ合うことを目的としたイベント、「このはなの日2013」が開催されます。詳細はHPにて http://konohananohi.tumblr.com/
辺口芳典 へんぐち・よしのり 1973年 大阪市生まれ。 ※2012年より、OTONARIをスタート地点とした 「Wonder Town ツアー」のお問い合わせ、ご予約は otonari.konohana@gmail.com まで ————- 溝辺直人 みぞべ なおと 1975年 鹿児島県生まれ。 |